生活習慣病の退治

1. 軽い異常値が揃うと36倍に跳ね上がるものとは?

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ここでは生活習慣病を退治する方法をご紹介します。

 

このページでは、

健診で異常値を指摘された方に、まず読んでほしい

基本のキについてお伝えします。

 

振り返れば私の父も大変でした。

あなたもぜひ今一度、

健診結果を見返してみてくださいね。

「そういえば、どこか引っかかっていたな・・・」健診結果覚えていますか?

 

 

生活習慣病というのは、

毎日の生活の仕方によってカラダにひずみが生じた結果、

引き起こされる病気のことです。

 

 

食事や運動、睡眠や喫煙、飲酒など

身体に合わない生活習慣が継続されることによって発症します。

 

 

「ここがすごく痛い」とか、

「いきなり動かなくなった」とか、

 

 

そのような自覚症状がないので、

多くの方が健康診断で指摘され、初めて知ることになります。

 

 

 

そして自覚症状がないが故に、

異常値を忘れられてしまうことが多いのも生活習慣病です。

 

 

直近の採血結果で、

「そういえば、どこか引っかかっていたな」と思う場合は、

ぜひ血液検査の結果を見返してみてください。

 

 

生活習慣病の中には、

糖尿病や、家族性の高コステロール血症など

遺伝性の強い疾患もありますが、

 

多くの場合は、

毎日の生活習慣を身体に合ったものに変えることで、

不具合を抑えることができます。

 

 

生活習慣病というのは、

細い血管が動脈硬化を起こしている状態です。

 

 

生活のひずみが溜まった時間が長ければ長いほど、

動脈硬化は進展します。

 

しかし困ったことに、いわゆる「血管年齢」というものは

大きく改善させることは難しいといわれます。

 

 

 

医療機関では、

脈波伝播速度(PWV)や心臓足首血管指数(CAVI)などの検査によって
血管年齢を推し量ることができますが、

完全に同年齢の血管に戻すといった劇的な改善は

限定的であると言われています。

 

 

動脈硬化と言われても、

痛みなどはありませんし、

加齢に伴うものだなと思い、そのままにしてしまう方も多いのも事実です。

 

生活習慣病の行き着く先・・・一番怖いものは何なのか?

 

しかし、生活習慣病の何が一番怖いかというと、

最終的に行き着く先が、

脳血管イベントや心血管イベントといった大きな病気であるという点です。

しかも、突然 襲われます。

 

 

この「突然」というのが一番怖い。

大きな血管のイベントなので、命を落とす確率が高いからです。

 

 

脳・心血管イベントというのは、

具体的には、脳出血、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞のことです。

 

 

自覚症状はないけれど、

いいことは一つもないのが生活習慣病です。

 

自覚症状がないので、

健診で指摘されても忘れてしまう方も多いのですが、

「いきなり襲われる」という点を忘れてはいけません。

 

数時間後に片麻痺になると分かっていたら・・・?

 

 

昨日まで普通に働いていた40代の男性が

救急搬送されてICUに入室し、

救命治療により一命を取り留めたが片麻痺になってしまった。。。

などという例は、医療機関ではよく見かけてしまうのです。

 

 

私が大学生だった時、

実の父親も、心疾患にアタックされました。

 

 

家族性の脂質異常症がベースにある上に、

アメリカに単身赴任しており体重が増えました。

深夜に及ぶ過酷な労働環境とバランスを欠いた食事が重なり

心血管イベントを発症しました。

 

 

幸いなことにアメリカの医療に救われましたが、

大きな脳・心血管イベントというのは

突然襲ってきますから、救命してもらえないかもしれません。

 

この「突然」というのが最も怖いところです。

 

 

 

 

もし、あなたが「メタボ」と指摘されているなら、

早急に生活習慣を見直すことをおすすめします。

 

 

 

厄介なのは、それまでは自覚症状がないという点です。

痛くないから、

何となく先伸ばししてしまう、、、ということが多いものです。

 

 

しかし、今は痛くなくても、

健診などで「メタボリックシンドロームですね」と指摘されたら

決して軽視してはいけません。

36倍に跳ね上がるものとは・・・?

 

 

 

健診結果の数字を見てみると、

一つ一つの異常値は、

標準範囲を少し越えたくらいの軽い異常値で、

あまり大事には思えないかもしれません。

 

その異常値が諸々揃ってしまった状態をメタボリックシンドロームといいます。

知っておきたい事実は、

メタボの状態では、

大きなイベントの発症リスクが最大36倍にも跳ね上がります

 

 

36倍です・・・

 

 

いかがでしょうか、ピンときますか?

いきなり脳・心血管イベントに襲われるリスクが

36倍です。

 

なかなか恐ろしいことだと思うのですが、

いかがでしょうか。。。

 

 

 

 

お腹周りが太い状態に加えて、

以下の2つ以上が異常値となった場合にメタボと言われます。

 

・中性脂肪

・HDLコレステロール

・血圧

・空腹時血糖

 

この項目の1つでも改善してしまえば

リスクを低減させることができます。

 

 

このリスクを下げたい場合、

もし今、肥満している状態なのであれば、

今の体重を下げることで、

上記4項目の改善を図ることができます。

今の体重の5%を減らせば、採血結果が改善しますと言われたら・・・?

 

 

どれくらいの体重を下げればいいかというと、

 

医療機関の減量治療のスタンダードは、

まず、今の体重の5%を下げることがファーストステップです。

 

まずは5%を下げることで、

諸々の血液検査の異常値の改善を図ることができます。

 

 

たった5%?

と思われるかもしれませんが、

期間の目安もありあす。

 

今の体重の5%を、3ヶ月から半年かけて減らしましょう、

というのが減量治療のスタンダードです。

 

 

 

計算してみましょう。

 

たとえば、

今80kgの方であれば、

80kg x 0.05 = 4kg

 

 

つまり、

3ヶ月から半年かけて、4kg減らし、

76kgにしましょう、というのが初期目標です。

 

 

 

いかがでしょうか、

4kgなら、

何となく、いけそうな、いけなさそうな・・・。

 

 

 

生活習慣病としてよく知られているものとしては、

・肥満症

・高血圧症

・脂質異常症

・糖尿病

・高尿酸血症/痛風

・COPD

・慢性腎臓病

 

などが挙げられます。

 

多くの場合、

元々痩せている、という場合を除いて、

肥満に該当する場合は、

体重を5%落としてみましょう。

 

5%の体重を減らすだけで、大血管イベントを抑えられるなら・・・?

 

つまり、減量。

つまり、ダイエット、というですが、

 

 

ダイエットの方法論は、

世の中に溢れかえっていますね。

 

一体どれが根拠があって確実に成功するものなのか

情報を取捨選択するのが大変です。

 

 

私が20年勤めた病院は、

肥満治療でも全国的に有名な病院です。

 

次の記事からは、

医療機関でも実際に行っている、安全で確実な

減量治療の実際を交えてお話ししたいと思います。

 

 

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この記事を書いた人

村上裕梨
村上裕梨

1981年生まれ。父の海外赴任に帯同し、中学時代をタイ・バンコク日本人学校で過ごす。 料理好きの母の影響と、バンコクで触れた世界各国の食文化をきっかけに、食の世界に興味を抱く。 「医食同源」──食の持つ力に魅せられ、管理栄養士となる。 委託給食会社で病院給食業務を2年経験したのち、東京都千代田区の急性期総合病院に転職。 以降20年にわたり、乳児から超高齢者まで、ICU・内科・外科・がん緩和ケアを含む29科の栄養管理に従事。 医学雑誌・医学書・論文執筆、学会発表を多数経験。 2025年、義両親の介護を機に退職。 現在は夫と3人の子どもとともに、瀬戸内海の島を拠点としながら東京都千代田区との二拠点生活を送っている。 医療機関を離れた今も、生活習慣病の予防・改善を目的とした食事療法の普及に取り組んでいる。

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村上 裕梨
Yuri Murakami

【プロフィール】

公的医療機関20年勤務
管理栄養士


病院勤務22年

乳児から超高齢者、ICUから内科・外科・緩和ケア病棟まで
29の診療科の栄養管理に従事。

【略歴】

2003年 委託給食会社に就職
2005年 東京逓信病院に入職
2025年 介護のため退職


【保有資格】

管理栄養士免許

《認定資格》(2025年現在)
糖尿病療養指導士、がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師、病態栄養専門管理栄養士、NST専門療法士

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