生活習慣病の退治

40代以降は、年率1%で骨格筋が減少する

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食事の話ばかりでしたが、

 

この記事では、

40代以降は、年率1%で骨格筋が減少する‼️

という話をご紹介します。

 

 

40代以降のダイエットは、若い頃と違う

アラフォーあたりから、「疲れやすい」「体力落ちてきた」と感じたこと、ありませんか?

 

私はあります!

 

40代半ば、
3児の育児でヘトヘト、
子どもを追いかけようとすると膝カクン・・・

 

 

 

40代以降の方がダイエットに取り組む場合は、
20代、30代と違って、

体重が減りにくい体になっている

ということを把握しておく必要があります。

 

 

そのため、

40過ぎたら、

日頃から活動量は下げない方が良いですよ♪ というお話です。

 

 

 

 

疲れや体力の落ちは、加齢に伴う骨格筋量の減少が大きく関わっています

骨格筋が加齢とともに減る現象は「サルコペニア」と呼ばれます。

 

 

 

介護や、高齢者の話題で出てくるキーワードなので、

「自分にはまだ先の話かな」、なんていう気もしますが、

サルコペニアの始まりは実はアラフォーあたり。

 

 

 

サルコペニアを研究する、

老年医学やスポーツ医学の分野では、
骨格筋量が減少し始めるのは、30代後半から40代にかけて
と報告されています。

 

 

 

個人差はありますが、
研究報告では、

骨格筋量は年率0.5%〜1.5%ずつ減少していくとされています。

これを平均して年率1%という表現がよく使われています。

 

 

 

骨格筋量が落ちると様々な弊害がありますが、
ダイエットに関いていえば、
骨格筋が減ると、

基礎代謝が減少するという点が最大の問題です。

 

 

基礎代謝の内訳ってご存知ですか?

基礎代謝・・・寝ているときに消費しているエネルギーのこと

 

 

そもそも基礎代謝というのは、

寝ている時に消費しているエネルギーのこと。

 

 

 

では、

消費しているのはどこなのか?

内訳をよーく見てください。

 

 

 

【基礎代謝の内訳】

 

大人の場合、
・肝臓 27%
・脳  19%
・筋肉 18%
・腎臓 10%
・心臓  7%
・その他19%

FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会,1989

 

 

Q. では問題です。

 

この中で、

私たちが自分の意思で増減できるパートはどこでしょうか?

 

 

肝臓?

どうにかできる?

 

 

脳?

脳をたくさん使って消費させる?

うん、それもいいかも。

 

 

筋肉?

うん、筋トレすれば増やせるかも。

 

 

そう、私たちが頑張ってどうにかできるのは、

骨格筋ですよね。

 

 

他の臓器は、私たちの意思で消費量を自由に上げ下げすることはできません。

加齢に伴い各臓器の消費量が落ちていくことは予想されますが、
私たちが自分の意思でいじれるのは、

骨格筋の量ですよね。

 

 

 

 

 

老若男女、
骨格筋が落ちれば、基礎代謝も減る。

 

 

基礎代謝が落ちているにも関わらず、
これまでと同じ量を食べていると、、、太る。

 

 

40代以降でダイエットに取り組む場合は、
以前より、やせにくくなっている、ということを意識する必要があります。

 

 

40代から始めるサルコペニア・フレイル・ロコモティブシンドローム

いずれも、弱くなっている状態を示します。

 

 

サルコペニアに似た概念に
フレイル、ロコモティブシンドロームなどがあります。

違いについては、

語源を知るとイメージしやすいです。

 

 

 

サルコペニア
ギリシャ語「サルコ(sarx / sarco)筋肉」&「ペニア(penia)喪失」

 

フレイル
英語 「(frailty)虚弱、老衰、脆弱」

 

ロコモティブシンドローム
英語「locomotion(ロコモーション)移動」
「syndrome(シンドローム)症候群」
骨粗鬆症、変形性脊椎症、変形性膝関節症などの運動器疾患によって、
移動能力が落ちた状態。

 

 

 

40代以降は骨格筋が落ちていくので、

サルコペニア、ロコモ、フレイルなどの始まりであるといえます。

40以降に限った話ではありませんが、
極端な減量や

長期にわたる絶食をすると確実に骨格筋量を落とします。

 

 

ですので、
極端にやらない、
長すぎる絶食はしない、

ということが重要です。

 

 

なぜ骨格筋が落ちるのか

運動不足・加齢・ホルモン変化など、複数の要因が重なっている

 

箇条書きにすると、

  1. 筋タンパク質合成の低下

    • mTOR経路の活性低下

    • インスリン感受性の低下

    • 筋肉へのアミノ酸取り込み能力の低下

  2. 筋タンパク質分解の増加

    • コルチゾールの増加

    • テストステロン・成長ホルモンの減少

    • 筋衛星細胞の活性低下

  3. 生活習慣・活動量の低下

    • 運動頻度の減少

    • 座り時間の増加

    • タンパク質不足

  4. 神経筋接合部(NMJ)の衰え

    • アセチルコリンの減少

    • 運動単位の減少

  5. ミトコンドリア機能の低下

    • エネルギー代謝の低下

 

 

 

 

 

ややこしいですが、

運動不足・加齢・ホルモン変化など、複数の要因が重なっています。

 

 

40代以降でダイエットをするときは、これに抗いましょう!
私たちがすべきことは、
骨格筋量を落とさないようにすることです。

 

 

 

患者さんにおススメするときは、年代によって異なりますが、
40代であれば、

・階段をもっと使うとか
(高度肥満がある場合はやりすぎると膝を痛めるので注意)、

 

・通勤電車で立っているときにかかと上げ下げする、

 

・歯磨きするときもかかと上げ下げ、

 

・毎日腹筋10回する
とか・・・

 

 

 

がんがん筋トレやれ、という話ではありませんので、
日常の中に散りばめることをおすすめします。

 

 

 

 

ところで、

ラジオ体操できますか?

3分の運動。

 

 

毎日やってもいいし、

定点観測にも良いと思います。

 

 

ちなみに、

私の父親は、ラジオ体操で膝裏の血管がキレて内出血しました😅

 

 

私も時々やると、

体がミシミシ言うので、習慣化しようかな。。。

3分だし、

朝やろうかな。。。

 

 

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この記事を書いた人

村上裕梨
村上裕梨

1981年生まれ。父の海外赴任に帯同し、中学時代をタイ・バンコク日本人学校で過ごす。 料理好きの母の影響と、バンコクで触れた世界各国の食文化をきっかけに、食の世界に興味を抱く。 「医食同源」──食の持つ力に魅せられ、管理栄養士となる。 委託給食会社で病院給食業務を2年経験したのち、東京都千代田区の急性期総合病院に転職。 以降20年にわたり、乳児から超高齢者まで、ICU・内科・外科・がん緩和ケアを含む29科の栄養管理に従事。 医学雑誌・医学書・論文執筆、学会発表を多数経験。 2025年、義両親の介護を機に退職。 現在は夫と3人の子どもとともに、瀬戸内海の島を拠点としながら東京都千代田区との二拠点生活を送っている。 医療機関を離れた今も、生活習慣病の予防・改善を目的とした食事療法の普及に取り組んでいる。

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村上 裕梨
Yuri Murakami

【プロフィール】

公的医療機関20年勤務
管理栄養士


病院勤務22年

乳児から超高齢者、ICUから内科・外科・緩和ケア病棟まで
29の診療科の栄養管理に従事。

【略歴】

2003年 委託給食会社に就職
2005年 東京逓信病院に入職
2025年 介護のため退職


【保有資格】

管理栄養士免許

《認定資格》(2025年現在)
糖尿病療養指導士、がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師、病態栄養専門管理栄養士、NST専門療法士

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