生活習慣病の退治

4. 機内食で時差ボケを解消する方法

目安時間 13分
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ここでは、生活習慣病を退治する食事についてご紹介しています。

 

 

前回の記事では、

元々夜行性に傾きやすい私たちに最適な、

体内時計の調律に役立つ朝食メニューをご紹介しました。

 

 

今回の記事では、

時差ボケから身を守る食事の摂り方についてお伝えします。

 

海外出張の多いビジネスマンや、

海外旅行で時差ボケを早期に解消したい方にオススメです。

 

 

  飛行機に乗る前にできる時差ボケ予防の食事とは?

時差ボケしやすい欧米フライトには、搭乗する1〜2日前からの対策が有効です。

 

 

海外出張や旅行でヨーロッパやアメリカに行くと、

人によりますが、

1週間くらい時差ボケに悩む方が多いと思います。

 

 

時差ボケはただ眠いというだけでなく、

ひどくなると、頭痛や腹痛、めまいがしたり、便秘になるなど、

辛い症状が出現し、眠気による事故リスクも上がり危険です。

 

 

普通であれば寝ている時間なのに現地では昼間、

逆に普段起きている時間なのに現地では夜・・・。

 

 

一週間もすれば現地のリズムに合って解消される時差ボケですが、

一週間も使い物にならないとなると困ってしまいます。

 

 

長期の駐在と違って、1〜2週間の海外出張や旅行となると

いかに早く現地リズムに適合できるかということが、

仕事のパフォーマンスや旅行の楽しみに直結します。

 

 

そこでこの記事では、

時差ボケを早く解決するための食事の摂り方をご紹介します。

 

 

 

 

そもそも時差ボケというのは、

体内時計と異なる、昼夜逆転した光によって引き起こされます。

 

 

前回の記事でも、

体内時計のリセットには、

二段階の要素が必要であることをお伝えしました。

 

 

すなはち、

一段階目は、朝目覚めた時に浴びる太陽の光によって、

二段階目は、朝食の刺激によってリセットします。

 

 

この二つの要素が揃ってはじめて

地球の自転と体内時計がピッタリ同期する、

ということをお伝えしました。

 

 

時差ボケは、

この一段階目の光が普段と異なることによって生じますので、

これを解消するためには、

二段階目の食事のパワーを最大限活用するのが有効です。

 

 

 

 

ここでもう一度、朝食の意義を確認してみましょう。

朝食というのは、長時間の夜間絶食(fast)を

終わらせる(break)、という意味を持ちます。

 

 

日本時間や現地時間が何時であっても、

カラダは、長時間の絶食を打ち破ったタイミングを「朝」だ、

と認識します

ここが大きなポイントです。

 

 

まとまった絶食時間を破ることで、

カラダは「お、朝になったな、活動開始だ・・・」

と認識してくれるのです。

 

 

そのため、

時差ボケを解消するポイントは、

機内食をいつ摂るか、に秘訣があります。

 

 

 

 

機内食が出てきたら食べる、という過ごし方をしていると

時差ボケを助長させてしまいますので、

計画的に摂る必要があります。

 

 

 搭乗前にできる事前準備とは?

基本は「西向きは遅らせ、東向きは前倒し」

 

 

搭乗前からの事前準備としては、

 

1〜2日前から、

現地時間のリズムを意識して過ごすことです。

基本は「西向きは遅らせ、東向きは前倒し」です。

 

 

つまり、

ヨーロッパなどの西方面に行く時は

徐々に遅寝遅起きにシフトし、

 

逆にアメリカなど東向きに移動するときは、

早寝早起きに慣らしていく、ということです。

 

 

以下のように、

現地の生活時間にあわせるように

可能であれば毎日1〜2時間ずつ生活のリズムを

ずらしていくと良いでしょう。

 

 

 

例えば、日本からロンドン行きを考えてみます。

日本時間22:00発→現地6:00着のイメージです。

 

時差は日本のマイナス9時間。

フライト時間は直行便として13時間程度。

 

 

普段の起床時間が6:00とすると、

可能であれば、

下記のように起床時間を遅らせる対策が有効です。

 

出発2日前 8:00起床(ヨーロッパ時間 前日23:00)

出発前日 10:00起床(ヨーロッパ時間 1:00)

出発当日 12:00起床(ヨーロッパ時間 3:00)

 

といった具合で遅寝遅起きを心がけると、

現地時間に適合しやすくなります。

 

 

これがアメリカなどの東向きの場合は、

逆に早めていく必要があります。

 

ヒトの体はもともと夜行性に傾きやすい性質を持っていますので、

東向きに早める方が大変です。

調整できるのであれば、少しずつシフトしていけると後が楽です。

 

 

 

機内での過ごし方は、

搭乗したら、すぐに現地時刻に時計を合わせ、

なるべく現地リズムで過ごすようにします。

 

 

機内食は一般的に、

離陸と着陸の2時間前に出ることが多いです。

 

 

そのため、

日本からロンドン行きを考える場合は、

飛行機に乗る前に夕食を食べておき、

日本を出た後の一食目の機内食は、

パスするか、ほんの少しにしておきましょう。

 

 

そしてすぐに眠ってしまうのがオススメです。

7〜8時間寝ると、日本時間の朝となり、

空腹を感じるかもしれませんが、

なるべく食事を控えた方が良いでしょう。

 

 

ここで食べずに、

二度目の機内食が出てくる残り4時間程度をしのいで、

着陸前の機内食を平らげてから現地の早朝を迎える流れが

時差ボケを抑える最善策です。

 

 

もし空腹で仕方ない、という場合は、

インスリンを上げにくいナッツ類などを

少量つまむ程度が良いと思います。

 

前回記事でもご紹介しましたが、

インスリンの分泌を促す糖質の多いものが

体内時計リセットに大きく働きます。

そのためこの場合は、糖質含有量の少ないものがオススメです。

 

ヨーロッパからの帰国便・・・機内食のオススメの摂り方とは?

ヨーロッパ日中発と夜発では、どちらがカラダに優しいかな?

 

ヒトは夜行性に傾きやすいので、

ヨーロッパ方面へ向かうときは、

ここまでの対策を取らなくても乗り切れることも多いかもしれません。

逆に西から帰国する時が大変です。

 

東向きのフライトは、

ヒトの夜行型になりやすい性質と逆向きに過ごす必要があるからです。

 

 

 

 

ヨーロッパを出発する時間を日中、夜の2つのケースを

考えてみましょう。

 

 

まず、日中にヨーロッパを出発する便のケースです。

結果からすると、

後述する、夜にヨーロッパを出発する便の方が楽ですが、

以下の対策を取ることで、時差ボケを軽減させることができます。

 

 

対策としては、

搭乗数日前から早寝早起きにシフトしていき、

搭乗したら、

出てきた機内食を食べてから、

すぐに寝てしまうことです。

 

 

寝れるだけ寝て目覚めると日本時間では未明ですから、

そのまま寝ずに過ごし、

着陸前の早朝の食事を平らげて着陸する、という流れが

時差ボケを最小限に抑える方法です。

 

 

 

 

次に、ヨーロッパを夜出発する便の場合も考えてみましょう。

便を選べるなら、断然こちらの方が楽でしょう。

 

 

まず、搭乗前に地上で夕食を済ませます。

 

離陸後は、一回目の機内食を軽くとるかスキップします。

そして、そのままたくさん寝てしまいましょう。

 

目が覚めると、日本の昼頃に当たるので、

機内では二度寝をしないように注意します。

 

着陸前に出る二度目の機内食は、日本の昼〜夕食として摂り、

そのまま日本の夕方に到着したら、

夜の22時頃まで起きて過ごし、

そこでやっと就寝します。

 

ヨーロッパから帰国する際は、

日中でも夜の便でも、

搭乗したらまずはじめにまとめて寝てしまうのがポイントです。

目が覚めても二度寝せずに、

日本の一日を先取りするイメージでいると

東向きの時差ボケをかなり軽減できます。

以上をまとめると、

日本からヨーロッパへ向かうときも、

ヨーロッパから帰国するときも

夜便がカラダには楽でオススメということです。

  • 夜便で出発 → 睡眠 → 現地の朝に到着

  • 夜便で帰国 → 睡眠 → 日本の昼〜夕方に到着

 

この寝て起きたら到着というリズムが、
どちらの方向でも自然で、体内時計を無理なくシフトできます。

 

 

 

時差ボケが長引かないよう、最大限機内食を活用して、

仕事に旅行にたくさん楽しめるといいですね!

 

 

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この記事を書いた人

村上裕梨
村上裕梨

1981年生まれ。父の海外赴任に帯同し、中学時代をタイ・バンコク日本人学校で過ごす。 料理好きの母の影響と、バンコクで触れた世界各国の食文化をきっかけに、食の世界に興味を抱く。 「医食同源」──食の持つ力に魅せられ、管理栄養士となる。 委託給食会社で病院給食業務を2年経験したのち、東京都千代田区の急性期総合病院に転職。 以降20年にわたり、乳児から超高齢者まで、ICU・内科・外科・がん緩和ケアを含む29科の栄養管理に従事。 医学雑誌・医学書・論文執筆、学会発表を多数経験。 2025年、義両親の介護を機に退職。 現在は夫と3人の子どもとともに、瀬戸内海の島を拠点としながら東京都千代田区との二拠点生活を送っている。 医療機関を離れた今も、生活習慣病の予防・改善を目的とした食事療法の普及に取り組んでいる。

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村上 裕梨
Yuri Murakami

【プロフィール】

公的医療機関20年勤務
管理栄養士


病院勤務22年

乳児から超高齢者、ICUから内科・外科・緩和ケア病棟まで
29の診療科の栄養管理に従事。

【略歴】

2003年 委託給食会社に就職
2005年 東京逓信病院に入職
2025年 介護のため退職


【保有資格】

管理栄養士免許

《認定資格》(2025年現在)
糖尿病療養指導士、がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師、病態栄養専門管理栄養士、NST専門療法士

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