メリットだらけの「玄米」のススメ〜慣れない時は分づきから


島暮らしを始めてもうすぐ3年。
勝手に抱いていたイメージとは異なり、
島では玄米の入手がなかなか難しいと感じます。
私が購入先を知らないだけかもしれませんが、
もっと簡単に玄米が手に入ればいいのにな、と思っています。
都心に住んでいた時は、
近くのお米屋さんで玄米を注文していましたが、
島に来てからは、
生協で時々カタログに掲載される時に購入するか、
島の外の大きな農協で買ったりしています。

栄養学的にみて、
玄米のデメリットは一つも思い浮かびません。
強いて言えば、
離乳食と、
家族の体調不良時には
使いにくいかな、といったところ。
体調不良というのは、
例えば下痢をしていたり、
胃腸の調子が良くなかったり、
術後や潰瘍がある、カリウム制限をしているなど、
療養上食べ控える必要がある場合です。

「食べ物は皮に栄養がある」と言いますが、
それはお米も同じ。
皮にこそ、メリットが多くあります。
ご飯軽く一膳分(150g)の比較
| 白米 | 玄米 | (白米比) | |
|---|---|---|---|
| 食物繊維 | 0.5g | 2.1g | 4倍 |
| ビタミンB₁ | 0.03mg | 0.24mg | 8倍 |
| マグネシウム | 10.5mg | 73.5mg | 7倍 |
| 鉄分 | 0.15mg | 0.9mg | 6倍 |
| カリウム | 43.5mg | 142.5mg | 3倍 |
| カルシウム | 4.5mg | 10.5mg | 2倍 |
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より計算
軽く一膳というのは、150g。
レトルト容器に入っているご飯で200gくらいなので、
あれより少ないくらいです。
糖尿病食品交換表をご存知の方であれば、
主食(表1)の3単位に相当する量です。

特筆すべきは、食物繊維の多さです。
軽く一膳に2gの繊維が入っているというのは、
なかなか良い数値です。
下記と比べるとイメージしやすいかもしれません。
食物繊維(1人前あたり)比較表
| 1人前量 | 食物繊維 | |
|---|---|---|
| サラダ(レタス+トマト) | 約80g | 0.7g |
| レタス(生) | 約125g(1/4玉) | 0.75g |
| キャベツの千切り | 約70g | 1.0g |
| バナナ | 1本(100g) | 1.1g |
| ほうれん草のおひたし | 約70g | 1.3g |
| プルーン(乾燥) | 2個(20g) | 1.4g |
| セロリ | 1本(100g) | 1.5g |
| りんご | 1/2個(140g) | 2.0g |
| ひじき煮 | 約50g | 2.5g |
| きんぴらごぼう | 約60g | 2.7g |
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より計算
表現を変えてみると、
-
プルーン 3個分
-
セロリ 1.4本分
-
レタス 0.7玉分
-
ほうれん草のおひたし 1.6皿分
-
キャベツ千切り 2皿分
-
サラダ(レタス+トマト)3皿分
といったところ。
素晴らしいですよね!
計算してみて玄米の素晴らしさを再確認しました。

玄米の他の栄養価としては、
ビタミンB1も多いですね。
鉄も多いのですが、
非ヘム鉄という吸収率の低い方の鉄です。
それでも軽く一膳分で0.9mg摂れるのは素晴らしいことです。
さらに、長期保存できる点は大きなメリットです。
お米屋さんによると、
精白米で1〜2ヶ月(できれば1ヶ月と言われます)、
玄米では3〜6ヶ月。
さらに長期保存するには冷蔵が必要だそうですが、
軽く2〜3倍は長持ちすることを考えると有難いことです。

白米に慣れているご家庭では、
玄米の分づき(ぶづき)がおすすめです。
「分づき」というのは、
玄米をどれだけ削ったかを表す表現です。
| 種類 | 精米度 | 見た目・食感 |
|---|---|---|
| 玄米(0分づき) | ぬか・胚芽を完全に残す | 茶色で硬め、噛み応えが強い |
| 3分づき | 表皮を少し削る | やや茶色、玄米の風味が残る |
| 5分づき | 半分ほど削る | ベージュ色、食べやすくなる |
| 7分づき | 白米に近い状態 | ほぼ白い、白米に近い柔らかさ |
| 白米(10分づき) | ぬか・胚芽を完全に除去 | 真っ白で柔らかい |
慣れない方は、七分づき米から注文してみて、
徐々に玄米に近づけていく、という方法があります。
ただ、
精米してくれるところがあるかどうかが、一番の問題かもしれません。
精米施設や、
コイン精米所があればお手軽ですが、そこがネックかもしれません。

個人的には、
地産地消という考え方を大切にしています。
ブランド米もありますが、
近くで生産されたものの中で、
自分に合うものを探すという作業は楽しいものです。
手に入れることも難しい玄米ですが、
玄米には健康の秘訣がたくさんあります。
入手しやすい地元のお米が見つかりますように♫


