子供を守る食事

メリットだらけの「玄米」のススメ〜慣れない時は分づきから

目安時間 9分
  • コピーしました

 

 

 

島暮らしを始めてもうすぐ3年。

 

 

 

勝手に抱いていたイメージとは異なり、

島では玄米の入手がなかなか難しいと感じます。

 

 

 

私が購入先を知らないだけかもしれませんが、

もっと簡単に玄米が手に入ればいいのにな、と思っています。

 

 

 

都心に住んでいた時は、

近くのお米屋さんで玄米を注文していましたが、

 

 

島に来てからは、

生協で時々カタログに掲載される時に購入するか、

島の外の大きな農協で買ったりしています。

 

 

 

 

栄養学的にみて、

玄米のデメリットは一つも思い浮かびません。

 

 

強いて言えば、

 

離乳食と、

家族の体調不良時には

 

使いにくいかな、といったところ。

 

 

 

 

体調不良というのは、

例えば下痢をしていたり、

胃腸の調子が良くなかったり、

術後や潰瘍がある、カリウム制限をしているなど、

療養上食べ控える必要がある場合です。

 

 

 

 

 

 

「食べ物は皮に栄養がある」と言いますが、

それはお米も同じ。

皮にこそ、メリットが多くあります。

 

 

 

ご飯軽く一膳分(150g)の比較

 

白米 玄米 (白米比)
食物繊維 0.5g 2.1g 4倍
ビタミンB₁ 0.03mg 0.24mg 8倍
マグネシウム 10.5mg 73.5mg 7倍
鉄分 0.15mg 0.9mg 6倍
カリウム 43.5mg 142.5mg 3倍
カルシウム 4.5mg 10.5mg 2倍

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より計算

 

 

 

軽く一膳というのは、150g。

レトルト容器に入っているご飯で200gくらいなので、

あれより少ないくらいです。

 

 

 

糖尿病食品交換表をご存知の方であれば、

主食(表1)の3単位に相当する量です。

 

 

 

 

 

特筆すべきは、食物繊維の多さです。

軽く一膳に2gの繊維が入っているというのは、

なかなか良い数値です。

 

 

 

下記と比べるとイメージしやすいかもしれません。

 

 

 

食物繊維(1人前あたり)比較表

1人前量 食物繊維
サラダ(レタス+トマト) 約80g 0.7g
レタス(生) 約125g(1/4玉) 0.75g
キャベツの千切り 約70g 1.0g
バナナ 1本(100g) 1.1g
ほうれん草のおひたし 約70g 1.3g
プルーン(乾燥) 2個(20g) 1.4g
セロリ 1本(100g) 1.5g
りんご 1/2個(140g) 2.0g
ひじき煮 約50g 2.5g
きんぴらごぼう 約60g 2.7g

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より計算

 

 

 

表現を変えてみると、

 

 

  • プルーン 3個分

  • セロリ 1.4本分

  • レタス 0.7玉分

  • ほうれん草のおひたし 1.6皿分

  • キャベツ千切り 2皿分

  • サラダ(レタス+トマト)3皿分

 

といったところ。

 

 

 

 

素晴らしいですよね!

 

計算してみて玄米の素晴らしさを再確認しました。

 

 

 

 

 

 

 

玄米の他の栄養価としては、

ビタミンB1も多いですね。

 

 

 

 

鉄も多いのですが、

非ヘム鉄という吸収率の低い方の鉄です。

それでも軽く一膳分で0.9mg摂れるのは素晴らしいことです。

 

 

 

 

さらに、長期保存できる点は大きなメリットです。

 

お米屋さんによると、

 

精白米で1〜2ヶ月(できれば1ヶ月と言われます)、

玄米では3〜6ヶ月。

 

 

 

さらに長期保存するには冷蔵が必要だそうですが、

軽く2〜3倍は長持ちすることを考えると有難いことです。

 

 

 

 

白米に慣れているご家庭では、

玄米の分づき(ぶづき)がおすすめです。

 

 

「分づき」というのは、

玄米をどれだけ削ったかを表す表現です。

 

 

 

種類 精米度 見た目・食感
玄米(0分づき) ぬか・胚芽を完全に残す 茶色で硬め、噛み応えが強い
3分づき 表皮を少し削る やや茶色、玄米の風味が残る
5分づき 半分ほど削る ベージュ色、食べやすくなる
7分づき 白米に近い状態 ほぼ白い、白米に近い柔らかさ
白米(10分づき) ぬか・胚芽を完全に除去 真っ白で柔らかい

 

 

 

慣れない方は、七分づき米から注文してみて、

徐々に玄米に近づけていく、という方法があります。

 

 

 

ただ、

精米してくれるところがあるかどうかが、一番の問題かもしれません。

精米施設や、

コイン精米所があればお手軽ですが、そこがネックかもしれません。

 

 

 

 

 

個人的には、

地産地消という考え方を大切にしています。

 

 

 

ブランド米もありますが、

近くで生産されたものの中で、

自分に合うものを探すという作業は楽しいものです。

 

 

 

手に入れることも難しい玄米ですが、

玄米には健康の秘訣がたくさんあります。

 

 

 

入手しやすい地元のお米が見つかりますように♫

 

 

 

無料メルマガ講座への登録はこちらから


無料メルマガ登録はこちら

  • コピーしました

この記事に関連する記事一覧

この記事を書いた人

村上裕梨
村上裕梨

1981年生まれ。父の海外赴任に帯同し、中学時代をタイ・バンコク日本人学校で過ごす。 料理好きの母の影響と、バンコクで触れた世界各国の食文化をきっかけに、食の世界に興味を抱く。 「医食同源」──食の持つ力に魅せられ、管理栄養士となる。 委託給食会社で病院給食業務を2年経験したのち、東京都千代田区の急性期総合病院に転職。 以降20年にわたり、乳児から超高齢者まで、ICU・内科・外科・がん緩和ケアを含む29科の栄養管理に従事。 医学雑誌・医学書・論文執筆、学会発表を多数経験。 2025年、義両親の介護を機に退職。 現在は夫と3人の子どもとともに、瀬戸内海の島を拠点としながら東京都千代田区との二拠点生活を送っている。 医療機関を離れた今も、生活習慣病の予防・改善を目的とした食事療法の普及に取り組んでいる。

コメントフォーム

名前  (必須)

メールアドレス (公開されません) (必須)

URL (空白でもOKです)

コメント

トラックバックURL: 

村上 裕梨
Yuri Murakami

【プロフィール】

公的医療機関20年勤務
管理栄養士


病院勤務22年

乳児から超高齢者、ICUから内科・外科・緩和ケア病棟まで
29の診療科の栄養管理に従事。

【略歴】

2003年 委託給食会社に就職
2005年 東京逓信病院に入職
2025年 介護のため退職


【保有資格】

管理栄養士免許

《認定資格》(2025年現在)
糖尿病療養指導士、がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師、病態栄養専門管理栄養士、NST専門療法士

👉 noteも読む