調味料の断捨離のススメ〜味覚が研ぎ澄まされると、どうなってしまうのか。

都心から移り、島暮らしを始めてもうすぐ3年。
食事面で一番大きく変わったことは、
調味料の使用量が自然と減ったことです。

島に来て、
お隣の農家さんから頂いた採れたてのキャベツを食べた時に、
「私、今まで何食べていたんだろう?」
水を飲んでいるかのような水っぽさ。
包丁を入れる時の音の違い。
キャベツからしみでてくる甘さ。
もうびっくりしてしまって、
「キャベツってこういうものだったの⁈」。

こういう体験を、子どもにもさせてあげたいなと思って、
島に来てから、
念願だった畑しごとをするようになりました。
お隣の農家さんの手解きを受けながら、
これまで、20種類以上のお野菜を作ってみました。
面白くてたまりません。
何て楽しいんだろう。
この楽しさを子どもにも伝えたくて、隙間時間で続けています。
そんなことをしていると、
採れたて野菜は、
味付けもそれほど要らないということが分かりました。
そして
ある時、
夫がいきなり原始人になりました。

原始人のような食事を始めたのです。
突然調味料を使わなくなりました。
その日は、
美味しく味付けした夕食を用意していたのに、
「味付けされたものは食べない」と言うのです。
その時は複雑な心境でしたが、(早く言え)
とにかく夫は原始人スタイルの生活を始めました。
そして、
夫は野菜が甘いと言い始め、
子どもにも味付けなしの料理を作るようになりました。

初めは、
「そんな味付けなしの料理なんて、子供は食べないよ」
と思っていた私です。
ところが、
子供が「美味しい、美味しい」と言っているのです。
毎食ではない、
でも、時々夫が作る料理は、味付けなしなのです。
空腹時を狙うと、ちゃんと美味しいと言って子供が食べているのです。
「へーー」
意外でしたが、
それでもしばらく横目で見ていました。

ところがそんなことが1年くらい続きました。
気づいてみると、
すっかり影響されていました。
影響を受けてしまって、
味付けなしを時々食べるようになりました。
すると。。。
味覚が研ぎ澄まされてくるんですね。
今まで味付けなしなんて考えられなかった管理栄養士です。
病院では、

調味料の比率で献立を点検したり、
調味料の量を数字で見れば出来上がりの味を想像できますし、
美味しく味をつけること、
素材の味を活かす味付け、
なんてことを考えて仕事をしてきました。
しかし・・・
味付けなし生活を試してみると、
何もなくてもやっぱり美味しく感じるようになっていました。
小松菜と油揚げが手元にあったら、
ごま油で炒めて、ちょっと甘醤っぱい仕上がりにするのが好きでしたが、

これまで通り調味してみると、
塩っぱくて、味が強すぎて、
小松菜と油揚げの味が分からない味覚になっていました。
例えば、
目玉焼きには醤油派でした。
ベーコンエッグなんてあったら最高です。
ちょこっと醤油をかけて食べるのが好きでした。

でも、かけてみると、美味しいけれど強い。
目玉焼きでもゆで卵でも、
卵自体をしょっぱく感じるようになりました。
でもそれもそのはず。
鶏卵Mサイズ一個には、食塩が0.2g含まれます。
普通は塩をかけたくなるのですが、
味覚が変わってしまいました。
卵がしょっぱい。
あれれ・・・これは変だなと思いました。

確か、
アマゾンの奥地には、
ヤノマノインディアンという原住民がいます。
彼らは、調味料を使わない生活をしていて、
大人でも高血圧のある人は皆無。
動脈硬化も見られないそうです。
なるほど私は、
舌がリセットされたんだなと思いました。
本来はこういうものかもしれません。
元々、焼き魚をするときは、
一般的には塩を振って焼きますが、
我が家は元々塩なしで、素材のまま焼いていました。
海水に住む魚は、それ自体に塩気がありますからね。

でも、、、
リセットされた味覚で食べてみると、
魚の塩を敏感に感じ取り、時に強すぎるほど。
でもそのままで非常に美味しい。
塩なんて振りたくない。
お肉も、ただ焼くだけで全く問題ない舌になってしまいました。
これは、、、
外食することになったらどうなってしまうんだろう。
実験してみました。

都心にいるときは、
高層ビルやマンションに囲まれ、
飲食店に事欠かない環境でした。
金曜日の夜は、子供が好む中華やインドカレー、
土日はどこかでテイクアウトしたり、
週に1〜3回は外食していました。
一方、
島に来ると飲食店が少ないですし、
外食は週に1〜2食、という具合です。
外食したらどうなってしまうんだろう、と興味本位で
中華を食べてみたり、
インドカレーでナンをお代わりしてみました。

すると
あぁぁ、やっぱり美味しいですよね。
味は確かに強いけれど、普通に美味しくいただきました。
しかし、、、
困るのは翌日であることが分かりました。
どうも調子が悪い。
顔は浮腫むし、特に目元は腫れています。
普段より多い食塩を摂取したために、
全身も重だるい感じです。
復活するのに1〜2日かかる、ということが分かりました。
1〜2日、ずっと体調不良なわけです。

全てのパフォーマンスが落ちます。
気力も沸かないし、
眠気、だるさもある。
不調
絶不調
ただ外食しただけなのに。
結論として、外食するときは、焼肉屋さんに行くことにしました。

初めにスタッフの方に
タレ・塩なしで、
ドレッシングもなしで、とお願いします。
子供も喜ぶので、もっぱら焼肉屋さん通いです。
これなら問題ないということが分かりました。
さらに良いことは、
冷蔵庫がすっきりしました。

調味料の断捨離をすると、
使用頻度の少ないものが傷むこともないし、
冷蔵庫がスカスカ、
これまで調味料買いすぎてたな。
でも我が家も現代ニッポン人ですし、
全くの無味しか食べていない、というわけではありません。
カレーも食べるし、(でもルーは普通の半量以下)
お好み焼きも食べます、(おたふくソースかけています)
一般的な調味料もありますが、
使用量は、
少なくて良いということが分かりました、というお話です。
どうぞご家庭でも、
ご自身の味覚チェックを試してみてくださいね。
さらに続けてみると、
「もう昔には戻れない」ということになるかもしれません😊


