原始人サラダ

原始人サラダ??
「何それ〜」って思いますよね😊
われわれ現代人には、はじめは受け入れ難いかもしれない。
でも2週間あれば、このサラダの旨みがわかるようになる。
味覚が刷新され、
カラダ全体も生まれ変わる。
そんなサラダをご紹介したいと思います。

👆こんな感じが、原始人サラダ。
我が家では、3年前から定番のサラダです。
一見普通のサラダですが、
ポイントは、
オリーブオイル以外の調味料を使わない、
という点にあります。
ふつうは迷わずドレッシングをかけるところ、
かけない。
塩をぱらぱらしたくなるけど、
それもしない。
野菜そのものの味。

まずそう??
いやー、美味しくないと感じました、私も。
でも、2週間あると、慣れてしまうのです。
私だけではなく、
多くの患者さんの味覚も、おおよそ2週間で変化しますし、
期間の目安について研究した報告もあります。
原始人サラダが我が家の定番となるまでの、
3年前の出来事を、振り返りたいと思います。

3年前のある日のこと。
夫が突然、原始人になりました。
その日を境に、調味料を使わず、ご飯もパンも食べなくなりました。
メンターにインスパイアされたそうです。
変な宗教にでも入ったか・・・。
唐突と思える行動に私は呆れ、
すぐまた元に戻るだろうと様子を見ていましたが、
その日から今も、彼のポリシーは変わることなく続いています。
夫に時々ある外食機会はチートデーとして楽しんでいますが、
基本は原始人のような食事ぶりです。
私は、医療機関で22年、29の診療科で約3万人の患者さんの栄養管理に従事してきました。
学会報告や論文・医学雑誌・医学書の執筆経験もあり、
臨床一筋の管理栄養士です。
そんな私にある日、夫が言うのです。
「今日から僕、調味料使わない。お米とかも食べない」

(は?)
夕食を作り終え、キッチンの後片付けをしていた私は
「もう作ったんだけど。」と言って無視していましたが
夫は自分用にサラダを用意し始め、肉を焼き始めました。
子供3人の食事の支度で忙しいのに、
片付けたキッチンをまた汚されてイライラする私。
そんなイライラをよそに、
夫はその日から、自分の食事を自分で用意するようになりました。
しかも、1日一食です。
朝と昼は食べなくなりました。

私の作った料理は一切食べず、
一人で黙々と野菜を切る後ろ姿に、イライラが募る私。
職業柄、見ればどれくらいのエネルギーなのか分かります。
毎日1000kcal程度です。
明らかに基礎代謝を下回っています。
当然、体重はするする減っていきます。
「腎臓、傷めるからやめた方がいいよ」
と言っても聞く耳を持ちません。
(やっぱり変な宗教に入ったんだ・・・)
そうは言っても、
職業柄、夫の著しい体重減少が気になりますし、
放っておくわけにもいきません。

とりあえず基礎代謝を下回らないくらいのエネルギーを確保するために、
彼用にオリーブオイルたっぷりの野菜炒めを作ったり、
余計な仕事が増える日々が続きました。
気づくと、半年くらい経過していました。
夫の食事は、1日一食。
炭水化物なし。
エネルギーは相変わらず少ないものの、体重は下げ止まり、
坂道ダッシュも軽々こなし、すこぶる健康そうな夫。
そしてある日、
夫が味付けなしの肉野菜炒めを子供に出しました。
(味なしだ。食べるわけないじゃん。)
と横目で見ていたのですが、

なんと
・・・
・・
・
子供たちが美味しそうに食べているのです。
玉ねぎと、にんじんと、豚肉を炒めただけ。
「どお?」と夫に聞かれて
「おいしー」と答えている子供たちに、
私は耳を疑いました。
本当に美味しそうに食べるので、私も食べてみました。
確かに玉ねぎの甘みはありますが、物足りない。
お世辞にも美味しいとは言えない。

子供の反応を見た夫はその日から、
積極的に子供用の味なし野菜炒めをせっせと作るようになりました。
料理の主導権が夫に移り、家事が減ってラクにはなりましたが、何だか解せない。
さらに夫は私用にと、味なしの野菜てんこ盛りサラダを準備します。
味なしで野菜ばかりのサラダなんて、
美味しくない、
多すぎて食べきれない、
喧嘩を売っているのか。
夫の用意するサラダを食べ切れず、いつも半分は残す私。

一皿で野菜の重量としては350gくらいあります。
厚労省の基準で、日本人の1日の必要量と言われる量が詰め込まれています。
普通はそれを3食に分けて食べるくらいの量ですが、
夫は夕食の一食で、さらに多い量を食べています。
食物繊維を過量に摂ると、鉄の吸収が阻害されることがあります。
夫の体格であれば許容範囲の量ですが、それにしても多い。

「よくそんな、味のないもの食べられるね」と言うと、
「そんなことないよ。甘いよ」と返ってきます。
付き合い切れないと思って放っておきましたが、
やはり家族というのは、よくも悪くも影響し合うもの。
子供が「美味しい」と言って食べる味なし料理の数々。
「甘い」と言ってモリモリ食べる夫。
気づくと私がマイノリティ。
作り分けるのも面倒なので、
私も仕方なく味なし料理を作り、食べるようになると、
私の味覚も変わっていきました。

職業柄、
この料理には何%の醤油、何%の砂糖でこの味になる、
という具合で調理してきましたが、
実は味付けをしなくても、
味覚が整っていれば十分に美味しい、
ということが分かってしまいました。
軽い衝撃です。

ところで、日本人の3人に一人は高血圧です。
高血圧といえば減塩。
しかし味が薄いとまずくて食べられない。
だから減塩がうまくいかないという患者さんをごまんと見てきました。
減塩の工夫はいろいろありますが、一番は慣れであるということも、
医学的根拠によって明らかにされていますし、
初めは「味がしない」と言っていた入院患者さんも、
退院前には「慣れた」という声に変わるので、
慣れること自体が、本質的な解決策だということも日常臨床で見てきました。

しかし、さすがに味なしというのは、
いくらなんでもやりすぎ、
まずいだろう、
続かないだろうと思っていた私です。
夫が作る味なし料理は、サラダだけではありません。
炒め物から、
焼いたもの、
蒸したもの、
すべて、味なし。
調味料がないだけで、
見栄えは普通のものとなんら変わりありません。

だからこそ、
味付けしていない料理を美味しいと感じてしまう自分を、
はじめは何だか認めたくないような心境でしたが、
私も変わってしまいました。
原始人サラダがどういうものなのかは別で詳しくご紹介しますが、
ここでお伝えしたいメッセージは、
味覚はリセットできる、ということです。
リセットのための料理として、原始人サラダ。
かつて「食べる順番ダイエット」がブームになりました。
巷のダイエット法は玉石混合、いろいろなものがありますが、
食べる順番ダイエットは、医学的にも正しいと言えるものです。

原始人サラダも、
食事の一番初めに食べることにより、
ただ味覚が研ぎすまされるだけではなく、多くのメリットを享受できます。
生活習慣病の改善に直結しますし、
ダイエットも叶う、
カラダの免疫力も向上する、
アンチエイジングや若返りも叶う。
デメリットは見当たりません。
もちろん、
このサラダや、野菜を多量に取らない方がいい病態の方もいますので、
注意点については別の機会に解説します。
しかし長年、29の診療科を横断的に見てきた立場からすると、
制限ありきの食事療法がほとんどの中、
このサラダは唯一プラスできる逸品です。
多くの方にとって健康の入口となる万能な一品。

健康であり続けたいが、
結局、
何を食べればいいのか、
いつ食べればいいのか、
最適解を知りたい方におすすめしたい逸品です。
後述する、サラダを食べない方がいい病態もありますが、
多くの日本人におすすめできて、
病気の予防や治療に貢献でき、
さらにアンチエイジングまで叶う一皿を
これからご紹介していきたいと思います。
乞うご期待〜!

