病院に運ばれる人の食卓 4

直近の健康診断の結果、覚えていますか?
軽い異常がいくつか並んでいる人は、要注意です。
何が要注意かというと、メタボです。
え?今更メタボ?
と思われるかもしれませんが、
今更でもなんでもなく、
メタボと言われたら、すみやかに改善したいものです。
なぜかというと・・・

メタボかどうかで何が変わるかというと、
心疾患の発症リスクが約2倍、
全死亡率は約1.5倍に上がると報告されています。
この単純比較では、
「ふーん、2倍か」、と思われるかもしれませんが、
もう少し細かく分析された報告が気になります。
メタボの何が嫌かというと、
危険因子の数が増えるほどに、
虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症・・・)になるリスクが、
爆上がりするという点にあります。

危険因子を持っていないかどうか、
健診結果を思い出してみてください。
ご自宅にあれば引っ張り出して、数値を眺めてみてください。
危険因子となるのは、
・中性脂肪が高い(高TG血症)
・血圧が高い(血圧高値)
・血糖が高い(高血糖)
この3つが揃っていると、
なんと嫌なことに、
虚血性心疾患の相対リスクが11倍にも跳ね上がるという報告があります。

上の図は、日本肥満学会が刊行している
『肥満症診療ガイドライン2022』の第3章、メタボの項目です(PDFが開かれます)。
(以下、参照図の出典はこちらのガイドラインです)
いかがでしょうか。
健診結果、大丈夫ですか?
メタボに引っ掛かるかどうかの診断基準は↓こちらです。

このウエスト周囲径については、
もっと細い基準の方が、
リスクを早期に抽出しやすいので見直した方が良い、などの議論はありますが、
注目したいのは、
上図の1)〜3)です。
この数値に3つとも引っかかっていれば、
心疾患になるリスクが11倍。
つまり、リスクを3つ持っているのであれば、
一つ解決するだけでも、カラダの負荷を大きく減らすことができるということです。
日本人のどれくらいの方がメタボに該当するか?
という図が↓こちらです。
該当していると強く疑われる人と、予備軍の割合です。

あれれれ・・・
男性の40代以上になると、ぐぐっと増えていますね。
予備軍含めると、日本人男性の2人に1人はメタボ疑い、ということですね。
凄まじいパーセンテージです。
女性になると、割合は少ないものの、50代以降から増えています。

そして実は、
脂肪細胞は、単なる脂肪の貯蔵庫ではありません。
動脈硬化を進めるホルモンを出している分泌器官という側面があります。
ただの贅肉ではないのです。
変なホルモンを出しているわけです。
(「脂肪組織は〜〜内分泌臓器である。」↓と書いてあります。)


メタボを解消する方法は、減量です。
しかし減量といっても、意外なことに、
少し減量するだけで血液検査データの改善を認めることができます。
SNSや広告では、
1ヶ月で10kg痩せました!
というような派手な数字が目に止まりますが、
実際にはそんなに減量しなくても、
数値の改善を得ることができます。
ではどのくらい痩せれば良いかというと・・・。
今の体重の3%です。
ガイドラインに明記されています。↓

今の体重から、
「3〜6ヶ月で3%以上の減少」を、と記載があります。
今の体重の3%分を、
3ヶ月から6ヶ月かけて落としていきましょうということです。

例えば、今60kgであれば、
60x0.03=1.8kg。
1.8kgを、3ヶ月から半年で落とす。
1ヶ月平均すると、
3ヶ月で減らすなら、0.6kgずつ減らせば、
3ヶ月後には、採血データは改善している、ということです。
イメージより、少しハードルが下がりませんか?
あれ、そんなんでいいの?
臨床現場でも、ちょっと下げるだけで、
採血データが改善している例をたくさん見てきました。
例えば、今80kgなら・・・。
80x0.03=2.4kg
これを3ヶ月で減らすとすると、
1ヶ月あたり0.8kg減らせば良い。
1ヶ月に1kgいけばもう御の字です。
「あれ?意外にそんなんでいいの?」
意外ですよね。
「それくらいなら・・・」
と思いませんか?
巷で言われているダイエットの成功事例を見てしまうと、
かなりハードルを感じられるかもしれませんが、
3%でok。

まずは、3%を計算するところからやってみましょう👍
ついでに、
3ヶ月後は何日なのか、カレンダーも見てみてくださいね。

